安すぎると危ない?バーチャルオフィスで料金の安さにこだわりすぎると危険な理由5つ

安すぎると危ない?バーチャルオフィスで料金の安さにこだわりすぎると危険な理由5つ

バーチャルオフィスは格安でオフィスの住所を借りることができる便利なサービスです。しかしその安さのこだわるあまりに、使い勝手の点で失敗する可能性もあります。

そこで、この記事ではバーチャルオフィスで料金の安さにこだわると危険な理由5つをご紹介します。

1 月額料金が安い分、入会金が高い

バーチャルオフィスは利用料金を総コストで考えることが大事です。というのも、利用料金はいろんな形で発生するからです。

たとえば毎月の料金が安くても、最初に支払う入会金や保証料が高い場合があります。長期間利用するのであれば、これらの一時金は使用月数で割って安くなります。

しかし事業が順調に拡大してオフィスを変えたくなった場合には、安い月額料金はかえって割高になるケースもあります。

初期費用が高いサービスを利用するのであれば、どれほどの期間バーチャルオフィスを利用するのかを考えておくとよいでしょう。

また月額料金の安いサービスは、料金を半年あるいは1年まとめて支払うケースも多いものです。途中解約による返金がない場合もあるので注意が必要です。

もちろんそれは承知のうえで、格安サービスを利用するのもひとつの手段といえます。

日本の開業率は厚生労働省が発表する「雇用保険事業年報」からも、欧米諸国と比べて低いことがわかります。

各国の開業率

  • 英国   14.3% (2015年)
  • フランス 12.4% (2015年)
  • アメリカ 9.3%  (2011年)
  • ドイツ  7.3%  (2014年)
  • 日本   5.2%  (2015年)

※2017年版中小企業白書より

少し古いデータもありますが、日本がいかに低いかがわかります。理由はさまざまですが、開業資金も敷居の高さにつながっていると考えられます。実績のないスタートアップ企業に融資する制度が、日本は遅れているからです。

格安のバーチャルオフィスを利用することによって、その敷居を低くすることも可能です。

もちろん十分な収益が得られなければ、格安バーチャルオフィスを利用しても開業が成功するとは限りません。

それを踏まえて、以降の注意点に留意していただければと思います。

2 必要なサービスが基本プランに入っていない

バーチャルオフィスではさまざまなサービスを提供していますが、もちろんそれぞれに料金が発生します。そこで最初は最低限のサービスだけ利用して、必要に応じてオプションという形でサービスを増やしていくのもよいでしょう。

その意味では基本料金が格安のサービスは魅力的に映るかもしれません。

しかし本当に必要なサービスまで含まれていないとなると問題があります。あるいは十分なサービス内容でなければ、不便な思いをすることもあります。

たとえばバーチャルオフィスの基本は住所と電話番号の貸与です。

その他に郵便物の転送も必要になりますが、基本パックに含まれないケースもあります。あるいは郵便物の転送に数日から1週間ほどかかるとなれば、不自由するかもしれません。

また法人登記ができるか確認をすることも大事です。単にホームページに記載する住所が必要なだけならよいのですが、法人登記をするのであれば別料金が必要なのか、最初から料金に含まれるのかを確認しておきましょう。

3 オプション料金が割高になる

ビジネスが順調になれば、電話対応や郵便物の迅速な対応も必要になってきます。

それまでは最低限の基本料金にオプション料金で対応できていても、オプションサービスの利用頻度が多くなると負担が大きくなります。

たとえば郵便物の転送も1通ごとに料金が加算されるとなると、量が増えれば大きな負担になります。

あるいは電話転送や代行受付など、最初から基本料金に含まれている方が結果的には安く済みます。

これはたとえば携帯料金のパケット代に例えるとわかりやすいと思います。パケット代が安いと基本使用量が少なく、使用量が増えると追加料金が加算されてトータル料金が高くなります。

そのまま同じサービスを利用するのであれば、最初からサービスの充実した料金設定で提供している業者を選ぶというのもひとつの選択肢となるでしょう。

4 ビル自体のスペックが低い

バーチャルオフィスは住所を借りるだけだから、実際のビルがどのような建物であるかは気にしないと思うことはありませんか。格安のバーチャルオフィスは、ビルのスペックが相当に低い場合があります。

4-1 ビル内は無人である

住所を見る限りではなかなか良い立地となる格安サービスもあります。しかし実際に足を運んでみると、ビルの中は無人となっている場合があります。

これでは顧客が突然訪問してきても、出迎える人がいません。このような場所でオフィスを構えているとなると、取引相手も不安になるのではないでしょうか。

できれば有人のオフィスを選び、来客があったらバーチャルオフィス運営側のスタッフが対応してくれるサービスを選びたいものです。

当然そのようなサービスを含むとなれば料金も高めに設定されます。しかし安心を買うという意味では無駄な出費ではありません。

4-2 会議室がない

格安のバーチャルオフィスはビル内に会議室を用意していないこともあります。

単にネット通販をするためであれば不要だと思いますが、取引相手と打ち合わせをしたりスタッフとミーティングを行うためには、会議室などのレンタルスペースが必要です。

もちろん使用する時のみ料金を払えばよいのであれば、コストもそれほどかかりません。

5 運営会社が倒産してしまう

バーチャルオフィスの住所で法人登記をするとなれば、そう簡単に住所を変えることはできません。しかし格安サービスを提供する運営会社は倒産の危険性もあります。

独立開業する人が増えていることを背景に、バーチャルオフィスサービスも増えています。

もともと1990年代にオフィススペースも借りることができるレンタルオフィスが誕生し、リーマンショック後に空室オフィスが増えたことでサービスも増加しました。

やがて少ない資金で起業できるようにと、住所や電話番号のみをレンタルするバーチャルオフィスが生まれます。

そして起業する人が増えたことを背景に、バーチャルオフィスサービスも増えていきました。その結果、業界内では競争が激化し、料金の安さを競うことで倒産する会社も出てきています。

独自のサービスを提供するサービスは生き残る可能性も高いのですが、単に料金の安さのみをアピールするサービスは競争に敗れて倒産する危険性もあります。

その結果、住所を変更するために移転登記の手続きをするとなれば余計な費用が発生します。顧客にも通達する手間がありますし、利用者の負担は決して軽くはありません。

おわりに

バーチャルオフィスにはいろんなタイプがあります。競合が増える中で格安サービスをアピールする業者も少なくありません。

もちろん、ビジネスをスタートしたばかりでコストを極力抑えたい人もいると思いますし、そのような場合に格安サービスは役に立ちます。

自分にとって必要なサービスを見極めて、役立つと判断すれば安い料金を選ぶのもよいでしょう。しかし料金の安さだけで選ぶと、結果的に割高になることもあるので、事前に調べてしっかりとした運営会社を選んでくださいね。


全国35拠点のバーチャルオフィス
2006年から営業開始:Karigo

自身も挑戦者でありながら、フリーランスなどの個人事業主などの挑戦者を支援する指針の元、2006年8月より営業を開始しました。ローコスト起業を考えていたり、節税対策などにも非常に有効です。