いまさら聞けないレンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスの違い

いまさら聞けないレンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスの違い

起業時にコスト削減ができるオフィスサービスとして、レンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスがあります。それぞれどのような違いがあるのかご存知でしょうか。

これから会社設立を考えているのであれば、それぞれの違いを詳しく知った上で、自分に最適なサービスを選ぶようにしたいものです。

1 個室が得られるレンタルオフィス

オフィスはそもそも、その多くが賃貸で借りるものです。しかし、わざわざ“レンタルオフィス”と命名するサービスには、独自の特徴があります。

通常のオフィスを借りると、仕事に必要な備品は全て自分で揃えなければなりません。レンタルオフィスにはすでに、必要な備品が揃っています。具体的に机・椅子・パソコン・プリンター・複合機などです。

インターネット回線もすぐに使えるようになっていますし、必要があればFAX番号もレンタルすることができます。

広さは個人で開業する人向けにわずか1坪程度のものから、10人以上のスタッフが入れるような20坪以上のものまでいろいろと用意されています。月額料金は数万円から20万円以上と、広さに応じて異なります。

2 情報交換もできるシェアオフィス

シェアオフィスとは、広いオフィススペースを複数の人が共有して使えるサービスです。

共有方法はサービスによって異なり、個別にブースが設けられていたり、フリーアドレス制で好きな場所を使えるものであったりします。

さらにオフィスフロアの形態もさまざまです。フロア全体が広く開放的になっているものもあれば、打ち合わせスペースなどある程度の区切りを設けているものもあります。

もちろんさまざまな人が利用するため、個人情報などを確保するため会議室を用意しているサービスが多くあります。外部に漏れては困るような打ち合わせは、会議室でできるというわけです。

机や椅子はもちろん提供されますし、複合機も共有して使用できます。ほかにもサービスごとに異なる備品の貸し出しもしています。

料金体系は2種類あり、時間単位の従量課金と月額による定量課金です。

あまりオフィスにはいない人であれば、従量課金のほうがお得でしょう。逆にオフィス内での業務が多い人は、月額のほうが安く済ませることができます。

3 格安で利用できるバーチャルオフィス

バーチャルオフィスはレンタルオフィス・シェアオフィスと異なり、実際に使用できるスペースがありません。

あくまでも実在するビルの住所を借りて、電話の取次ぎや郵便物の転送といったサービスを受けながら自宅などで業務ができるサービスとなります。

オフィス空間を借りるわけではないので、料金がかなり安いのが特徴です。もちろん借りた住所をホームページや名刺に記載できますし、法人登記に使用することも可能です。

また実際にオフィスを使えるわけではありませんが、ビル内にある共用の会議室などを借りることができます。

来客の対応やスタッフ同士のミーティングにも利用できますし、普段は使わないスペースにお金を払うような無駄がありません。

4 レンタルオフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスの違い

それぞれの特徴を簡単に説明しましたが、実際に使用するとなるとどのような違いがあるのか気になると思います。そこでテーマごとに、それぞれの違いをご紹介します。

4-1 使用に向いている人

とにかく経費を削減したいという人は、バーチャルオフィスを選ぶとよいでしょう。月額料金がわずか数千円からと、ほかのサービスと比べて圧倒的に安く利用できます。

しかも東京の一等地やアクセスのよいオフィス街など、家賃相場が相当に高い場所での住所を安く借りることができます。これは対外的に信頼を得られるという大きなメリットとなります。

ただし個人使用ではなくスタッフを雇うようになれば、バーチャルオフィスでの業務遂行は難しいかもしれません。

もちろん業態によってそれぞれが好きな場所で働くことができるのであれば、定期的に集まる場所さえ確保すれば問題はないでしょう。

たとえ個人使用であっても、自分だけのスペースが欲しいという人にはレンタルオフィスがおすすめです。狭い空間であっても業務に必要な設備は揃っていますし、初期投資のお金を削減できます。

自分だけのスペースを確保できるので、顧客情報などをしっかりと管理したい場合には必須ともいえます。また集中できる場所を確保することで仕事の効率が高まるという人も、レンタルオフィスが向いているでしょう。

逆にいろんな人から刺激を受けながら仕事をしたいという場合には、シェアオフィスがぴったりです。さまざまな業種の人が共有するので意見交換をすることもできます。経営に行き詰った時、ほかの利用者からインスピレーションを受けることもあるでしょう。

またスタッフの数が増えてきても、常時オフィスに居るわけではないのであればシェアオフィスが便利です。時間単位の使用料を払えばよいので、無駄にオフィス賃料を払うことがありません。

逆にオフィスに常駐するような業務であれば、レンタルオフィスに移行したほうが結果的には経費削減になるでしょう。

4-2 ランニングコストの違い

圧倒的にランニングコストが安いのはバーチャルオフィスです。場所の使用料を払わずに済むというのは、大きなアドバンテージになります。

次にランニングコストが安いのは、シェアオフィスでしょう。たとえば複合機などの使用も大勢で共有するので、使用料は安くなります。

またフリーアドレス制のサービスであれば時間単位で借りることができるので、外出することが多いのであれば効率的に使用できます。

その意味では不在にしていても料金が発生するレンタルオフィスがランニングコストは最も高くなるでしょう。

ただしスタッフの数が増えて、なおかつオフィスに常駐するとなれば、選択肢はレンタルオフィスのみとなります。

4-3 立地条件

どのサービスでも、たとえば東京都心でサービス提供をするなどさまざまな立地を選ぶことができます。そして基本的に、ビジネス拠点として便利な場所であるほどオフィス賃料が高くなりますし、それがサービス料金にも反映されます。

その中で最も有利な立地でサービスを利用できるのはバーチャルオフィスでしょう。元々サービス料金が月額数千円程度からと安いので、都心の一等地であってもそれほど使用料が高くなるわけではありません。

それに対して実際にオフィススペースを借りるレンタルオフィスやシェアオフィスは、立地条件が良くなるほどに使用料も上昇するので、場所選びにはある程度の制約が出るかもしれません。

4-4 サービスの違い

サービスに関してはどのオフィス体系であってもそれほど変わりはないでしょう。あとは業者によってどんなサービスを提供しているかによります。

レンタルオフィスに関しては郵便物の転送サービスは不要かもしれませんが、不在時の電話取次ぎサービスは役に立ちます。

中にはコンシェルジュのような取次ぎサービスもあるので、会社の印象を良くするためにはそのようなサービスを利用するのもよいかもしれません。

バーチャルオフィスのように実際にスペースを借りないサービスは、不便さを解消するためのサービスが別料金で提供されています。

シェアオフィスやレンタルオフィスでも、別料金で役立つサービスを提供しているので、どれが必要なのかを見極めることが大事です。結果的にコストが割高とならないように、それぞれのサービスを利用した場合のコストとベネフィット(得られる利益)を考えましょう。

4-5 使い勝手

オフィスとして使用する場合、その使い勝手も重要です。レンタルオフィスは特に不自由なく使えますが、シェアオフィスやバーチャルオフィスの場合、法人登記や資金融資に注意が必要になります。

法人登記はどのサービスの住所でも行えますが、シェアオフィスとバーチャルオフィスは別途料金が発生する場合もあります。また銀行で法人口座を開設する場合や、運転資金の借入などにおける信用力にも違いが出てきます。

実際にオフィス空間を保有しているレンタルオフィスやシェアオフィスに比べると、バーチャルオフィスは信用度という点では不利といえます。もちろん財務状況や経営計画などが評価されれば、融資を受けることは可能です。

さらに郵便物の受け取りに関しては、バーチャルオフィスは転送してもらうという手間がかかります。これらの使い勝手を考慮して、どのサービスを選ぶのかを考えるとよいでしょう。

まとめ

コストという面から考えるとバーチャルオフィスが圧倒的に有利です。スタートアップ時に少しでも利益率を高めたいという場合にはおすすめです。あとは自分の業務スタイルによって選ぶとよいでしょう。

自分だけのスペースが欲しいのであればレンタルオフィスを、経営に関する情報収集をしたいのであればシェアオフィスを利用するのもよいかもしれません。自分にとって最終的に費用対効果が高いのはどのサービスなのかを考えることが大事です。


全国35拠点のバーチャルオフィス
2006年から営業開始:Karigo

自身も挑戦者でありながら、フリーランスなどの個人事業主などの挑戦者を支援する指針の元、2006年8月より営業を開始しました。ローコスト起業を考えていたり、節税対策などにも非常に有効です。