会社が倒産?!利用前に知っておきたい、バーチャルオフィスにありがちなトラブル7つ

会社が倒産?!利用前に知っておきたい、バーチャルオフィスにありがちなトラブル7つ

バーチャルオフィスは住所貸しというスタイルのサービスゆえに、注意すべきトラブルがいろいろとあります。実際に利用してから困ることがないように、いくつかご紹介しますのでチェックしていただければと思います。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル1:運営業者の倒産により登記移転せざると得なくなる

特に格安料金で提供する業者は倒産リスクが高まります。サービスを受けられなくなれば当然ですが、会社の住所も変えなければなりません。法人登記をしていれば、変更登記が必要になります。

この場合、まず費用負担がかかります。登録免許税も管轄内での移転で3万円、管轄外へ移転すれば6万円が必要です。さらにこれだけでは済みません。

たとえば名刺やパンフレットがあれば作り直さなければなりませんし、取引先への通知も必要になります。そしてあらたなバーチャルオフィスを利用するために、初期費用が発生します。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル2:営業に必要な許認可が下りない

業種によっては行政機関の許認可が必要な場合があります。しかし、そのような許認可を得るためにはバーチャルオフィスでは対応できないケースがあります。

たとえば職業紹介業は厚生労働大臣の許可が必要ですが、実体のある事業所が必要になります。

人材派遣業も、一般労働者派遣事業は20平方メートル以上の事業所が必要と定められています。

特定労働者派遣業は事業所における必要面積や賃貸借契約書の提出が定められてはいませんが、実体のない事務所で登録をすると免許を取り消されることがあります。

税理士・司法書士・弁護士といった士業も実体のある事務所が必要になります。バーチャルオフィスを利用する時は、このような点を事前にチェックしておきましょう。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル3:解約後のトラブル

バーチャルオフィスは通常のオフィスと異なり、住所を貸し出すサービスです。つまりその住所を無断で使用するとトラブルの元になります。

これはバーチャルオフィスの解約後にも注意しなければならない重要な点です。

契約時には解約に関する説明事項があると思いますが、必ずホームページなどから利用している住所を削除しなければなりません。

もしうっかりと記載したまま残してしまうと、サービスを解約した後も料金の請求が発生します。場合によっては請求がないままに督促状が届くケースもあります。

また名刺やパンフレットにも注意しましょう。バーチャルオフィスを解約した後に住所を記載したままの名刺やパンフレットを配ると、やはり使用料金を請求されることになるからです。

解約後に郵便物がバーチャルオフィスの住所あてに送られることがないように手続きしておく必要もあります。大事な書類が解約後にバーチャルオフィスに届くと、宛先不明で送り主に返されてしまいます。

業者によっては有料で転送してくれることもありますが、通常は転送されないので注意が必要です。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル4:法人口座が開設できない

これもバーチャルオフィスではよくあるケースです。サービスによっては、法人口座を開設できる銀行を紹介してくれるところもあります。

しかし一般的に、銀行は法人口座開設の申し込みを受けると、会社のオフィスへ立ち入り審査を行い実際に業務を行っているか確認します。

これはバーチャルオフィスで架空の会社を作り、違法行為をするケースが増えたためです。

バーチャルオフィスのビルによっては、過去に問題があった物件が公表されていることもあります。そのようなビルのサービスを利用すると、法人口座の開設は難しいでしょう。

また銀行によっては法人口座を開設するためのアドバイスをしてくれることもあります。たとえば最初は個人口座を使って事業を行い、半年あるいは1年間の帳簿を用意すれば対応してくれることがあります。

しかし個人口座を使って事業を行っていると、事業資金のための融資が受けにくくなります。この点を踏まえてサービス業者を選ぶようにしましょう。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル5:社会保険に加入できない

会社を設立したら、社会保険への加入が必要になります。しかしバーチャルオフィスの住所で法人登記をすると、その手続きが面倒になります。

というのも、社会保険への加入には、帳簿や資金台帳といった書類を登記している会社で保管しておくことを義務付けられているからです。通常のバーチャルオフィスは会議室などの共有施設はありますが、個人で使用できるスペースはありません。

もちろん自宅に必要書類を保管しておくことはできないので、バーチャルオフィスに預けておくことができなければ社会保険に加入できないこともあります。加入申し込みのために年金事務所に足を運ぶと、必ず必要書類の保管場所を聞かれます。

もしバーチャルオフィスに個人で使用できるキャビネットがあれば、そこに社会保険加入に必要な書類を預けておくことができます。バーチャルオフィスサービスを選ぶ時には、その点も確認しておくとよいでしょう。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル6:商号調査をしないため会社登記できない

平成18年にあらたな会社法が施行されるまでは、同じ市区町村で同じ事業、類似した商号(会社名のこと)があると、会社の設立登記はできませんでした。

登記申請の際に商号調査が行われたからです。しかし会社の設立数が増加し、照合調査業務が負担となるために、この規制は廃止されました。

しかし同じ住所に同じ商号があると登記できないことには変わりありません。会社を設立する時にはまず、定礎の認定が必要になります。

定礎とは会社の事業内容や商号、住所などさまざまな規則と記載したものです。その正当性を証明してもらう認証は行ってもらえるものの、法務局で登記申請をする段階になって同じ住所に同じ商号があることが発覚するケースがあります。

もちろんそのようなケースは稀ですが、必ず自身で商号調査をしておくことが大事です。

これは法務局でバーチャルオフィスの住所を調べれば、閲覧することができます。おそらく同じ住所で数多くの会社が登録されているので、ひとつひとつをきちんと確認することが必要です。

チェックするポイントは同じような発音や文字でないかどうか、大文字と小文字だけの違いではないかなどいろいろとあります。

バーチャルオフィスにありがちなトラブル7:ネットショップの返品を受け取り拒否されてしまう

自宅を公開せずにネットショップを開業する場合にも、バーチャルオフィスが役立ちます。しかし郵便物の転送サービスに関してトラブルが発生する可能性があります。

バーチャルオフィスの住所から商品を発送し、何かしらの理由により返品してもらう場合があります。

この時、バーチャルオフィスの郵便物転送サービスでは、受け取れる荷物の大きさを規定しているケースが多いものです。そのサイズを超過する場合、バーチャルオフィスでは受け取りができずに返送してしまいます。

このような場合、返品の受け取りができませんし、代わりの商品を送る場合にも遅くなってしまいます。その結果クレームにつながる可能性もあるので注意が必要です。

おわりに

バーチャルオフィスは手軽に利用できますが、注意しないとトラブルにつながる可能性があります。

事前にサービス内容をよく確認しておけば回避できることもありますし、事業内容によってはバーチャルオフィスを利用することができません。起こりうるトラブルをチェックして、スムーズに事業を行えるようにしていきましょう。


全国35拠点のバーチャルオフィス
2006年から営業開始:Karigo

自身も挑戦者でありながら、フリーランスなどの個人事業主などの挑戦者を支援する指針の元、2006年8月より営業を開始しました。ローコスト起業を考えていたり、節税対策などにも非常に有効です。