バーチャルオフィスではさまざまなサービスを提供しています。
実際のオフィス空間を使わない代わりに料金が安いバーチャルオフィスでは、オプションで用意されているサービスを活用することで不自由なく業務に取り組めるようになります。
そこで、どのようなサービスを利用できるのかをご紹介します。
1 住所貸し
バーチャルオフィスの基本的なサービスが住所貸しです。実際に建っているビルの住所を借りて会社の所在地として使用できます。
1-1 一等地の住所を使用できる
バーチャルオフィスは通常のオフィスを借りると高い賃料が必要となる一等地でも、安い料金で住所のみを借りることができるサービスです。都市部の利便性が良い場所で提供されることが多く、好きな場所を選ぶことができます。
ただし借りることができるのはあくまでも住所のみなので、実際にオフィス空間を使用することはできません。借りた住所をサイトや名刺などに会社の所在地として記載することができます。
1-2 料金は数千円から
バーチャルオフィスは月額料金という形で費用が発生します。その基本料金は実際にあるビルの場所や建物のクオリティにもよりますが、安いと数千円からとなります。住所貸しは基本パックのサービスに含まれますが、パック内容によっては基本料金がもっと高くなることもあります。
1-3 法人登記もできる
住所のみを貸し出すサービスですが、法人登記も可能です。そのための料金は基本料金に含まれる場合もありますし、別途必要になる場合もあります。
住所貸し出しサービスで注意が必要なのは、業種によっては会社所在地として使用できないケースがあることです。
実際にある程度の広さを確保した事務所を用意しなければ、業務を行えない業種があるので注意しましょう。
2 電話番号の貸し出しと転送サービス
住所貸しと一緒に提供されるのが、電話番号の貸し出しと転送サービスです。固定電話番号を使用できるので、まるで通常のオフィスを利用するような感覚で活用できます。
2-1 会社専用の電話番号を使用できるサービス
個人で会社を立ち上げる場合、自前の携帯電話のみで営業していると取引先が不安に感じることもあります。また単なる電話番号貸し出しでは、バーチャルオフィスの住所とリンクしません。
バーチャルオフィスの電話番号貸し出しサービスであれば、住所にリンクした固定電話を使用できます。
そして外部から電話番号あてにかかってきた電話は、指定する携帯電話番号などに自動的に転送されます。
2-2 料金は基本料金に含まれる
電話番号貸し出しと転送サービスも、住所貸し出しと一緒に基本パックに含まれるケースがほとんどです。
転送サービスに関しても料金が別途発生することはありません。ただし貸し出される電話番号から発信する場合には、基本料金が高くなるケースがあります。
2-3 自動転送には注意点も
電話転送サービスは、取引先や見込み客などからの電話を直接受けることができます。しかし業務中につき電話対応できないこともあるでしょう。
特にひとりで起業してバーチャルオフィスを利用する人は、いつでも電話を受け取れるわけではありません。
あくまでも貸し出してくれる固定電話から転送されるだけなので、常に留守番電話に切り替わるようだと相手に不信感を持たれることもあるので注意しましょう。
3 電話代行・秘書サービス
電話転送は単純に指定する番号に転送するのみですが、コールセンターで外電を一度受けてくれるのが電話代行・秘書サービスです。
3-1 専用スタッフが電話に出てくれるので安心
個人で仕事をしていて困るのは、電話対応ではないでしょうか。受付のスタッフを雇うとコストがかかりますし、かといって電話に出ることができないと取引のチャンスを逃すこともあります。
しかし電話代行サービスを利用すれば、かかってきた電話に対応してくれるので安心できます。
サービス内容はかかってきた電話に対して契約者の屋号(会社名)や法人名で応えて、指定するメッセージを伝えるものとなります。
そして電話がかかってきたこととその内容をメールや電話で契約者に伝えてくれます。
3-2 料金は定額+従量制に
電話代行・秘書サービスの料金は基本料金として月額金額を支払うほかに、1コールあたりいくらという形で発生します。基本料金の中にはたとえば50コールまで無料という形で費用が含まれ、それを超えた分は追加料金が発生するという形が多いです。
3-3 細かな対応はできない点に注意を
バーチャルオフィスの電話代行・秘書サービスはコールセンターではないので、細かな対応はできません。
たとえば商品やサービスに関する質問に答えることや、業務内容に関する説明は行いません。
また不在とする理由など契約者のプライベートや予定に関わることも答えることができませんし、あくまでも契約者が用意するマニュアルに従って対応するのみとなります。
4 郵便物・宅配転送サービス
会社のオフィスで必要なものは電話のほかに、郵便物の受け取りや配送があります。バーチャルオフィスはネット通販をする人にとって自宅以外の住所が使える便利なものです。一方で書類を受け取る必要がある人にとっては、転送サービスが便利です。
4-1 郵便物や宅配便を指定する住所に転送してくれる
バーチャルオフィスの住所宛てに送付される郵便物や宅配便もあるでしょう。それを直接受け取りに行くこともできますが、自宅など指定する住所に転送してくれるのがこのサービスです。
転送はバーチャルオフィスで受けてからすぐに手配するサービスもあれば、週に一度何曜日に転送すると決まっているサービスなどがあります。
4-2 料金は1通あたりの従量制
郵便物・宅配便の転送サービスは、1通あたりいくらという形で発生します。さらにどのような郵便物がバーチャルオフィス宛てに届いているのかを報告してくれる場合には、別途料金が発生する場合もあります。報告を受けることで、早急に必要なものは直接受け取りに行くこともできます。
4-3 サーズや重量に制限があるので注意
郵便物・宅配便なら何でも転送してくれるわけではないので注意が必要です。制限を超えるものを転送する場合には、別途料金が加算されます。
また現金書留や冷蔵品のようなバーチャルオフィスで一定期間保管できないものは対象外となっているケースがほとんどです。ただし明らかにDMとわかるものは転送しないサービスもあるので、便利な一面もあります。
5 会議室サービス
基本的にバーチャルオフィスは実際のオフィス空間を利用しませんが、ビル内の会議室などを使用できるのが会議室サービスです。
5-1 来客対応などに利用できるサービス
業務内容によっては、取引相手と打ち合わせをすることもあるでしょう。そのような時にバーチャルオフィスのビル内で用意されている会議室などを事前予約することで、利用することができます。
目的によって必要な広さも違いますし、収容人数に合わせた広さの会議室が提供されているケースが多くみられます。室内にはテーブルと椅子のほかに、プロジェクターなどの設備が整っている場合もあります。
5-2 利用料金は1回あたりいくらという形に
会議室のサービスは必要な日時を指定して予約すれば利用できます。1回あたりいくらという形で料金が発生します。会議室の広さに応じて料金が違いますが、1回数千円といった設定が多いようです。
5-3 急な来客には対応できない
基本的に会議室サービスは予約が必要なので、急に来社したいという顧客への対応には利用できない点に注意が必要です。あらかじめ予約が必要ですし、相手の都合で時間がずれた時なども利用できなくなる可能性もあります。
打ち合わせ以外にも用途は多いので、工夫次第では役立つサービスといえます。たとえばセミナーを開催するために利用できますし、そのために必要な設備を備えているかチェックしておくとよいでしょう。
6 来客受付・対応サービス
急な来客があった時に役立つのが、来客受付・対応サービスです。これはバーチャルオフィスで用意している受付スタッフが対応してくれるものとなります。
料金はパック料金に含まれる形になるので、来客が多い人にとっては役立つサービスといえます。逆にどれほど来客があるのかわからない人にとっては、大きなコストにつながる可能性もあるので注意しましょう。
まとめ
バーチャルオフィスは実際のオフィス空間を借りることはできませんが、提供されるサービスをうまく活用することでほぼ不自由のない業務が行えます。
さらに個人で活動する場合には効率的に、必要な分だけのサービス料金を支払うことでコスト削減が可能となります。